会長挨拶
第18回岩手看護学会学術集会
会長 外舘 和佳子
(医療法人友愛会 盛岡友愛病院 副院長兼看護部長)
このたび,第18回岩手看護学会学術集会の大会長を仰せつかり,2025年10月4日(土)に岩手県立大学にて開催させていただくことになりました.
2025年は団塊の世代の方々が75歳となり,岩手県の高齢化率も35%代となります.今後さらに高齢化率が増す中で,私達看護職は医療機関の連携だけではなく医療と介護の連携を推進していかなければなりません.これまでも幾度となくあらゆる場面で2025年問題という言葉を聞いて参りましたが,この年を目の当たりにし,病院の中で働いている私達も患者層の変遷が伺えます.
そのためにも,住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指してきました.しかし,地域で暮らす高齢者が抱える問題は,個人にとっても,看護職にとっても山積しております.
社会的情勢においても予測出来ない感染症や災害,経済の変化などの影響も高まり,独居世帯や老老世帯をどのようにサポートしていかなければならないのか.改めてこの高齢化時代を乗り切るために医療,介護の連携を強くしていくことが私達の役割ではないかと思っております.
そこで,本学術集会のテーマを「高齢化時代をつなぐ看護~シームレスな未来へ~」としました.
本学術集会では,基調講演として,北海道文教大学副学長・医療保健科学部 教授 高岡哲子氏に「最期まで自分らしく:過疎地域の看取り支援の課題と可能性 ~地域の現場から考える~」と題して講演をいただきます.また,シンポジウムでは,「地域をつなぐ看看連携」と題し,病院や施設,訪問看護の立場の3名から,それぞれご発信いただきます.
ぜひ,看護職の皆様にご参加いただき,この高齢化時代の中で,同じベクトルで前に進むことが出来るよう改めて理解を高め,その役割を担う看護の和を深め合える機会になれば幸いです.また,看護学生の皆様にもご参加いただき,その人らしい人生を送れる方々の支えが出来る看護職を目指してもらえるような場にしたいと思います.
岩手の10月は紅葉が美しく山の幸も美味しい季節です.多くの皆様のご参加を心よりお持ちしております.