理事長メッセージ

 このたび、岩手看護学会の理事長を務めることになりました岡田みずほです。まずは、学会を支えてこられた歴代の理事長や会員の皆さまに心から感謝申し上げます。日々、病院、診療所、訪問看護、施設、学校、地域など、さまざまな場で看護を実践されている皆さまの力が、岩手の暮らしを支えています。

 岩手県は広く、沿岸や山間部には病院が少ない地域もあります。医師不足が深刻な場所では、看護職が医療の要となる場面も多くあります。だからこそ、看護の力が地域の安心を支える鍵になります。高齢化率が全国平均を上回る岩手では、病気や障がいがあっても住み慣れた地域で暮らし続ける「地域包括ケア」の仕組みが重要です。その中心で、患者さんと家族の生活を支えるのが看護職です。

 岩手の看護の強みは、地域に根ざした実践にあります。顔の見える関係を築き、生活や文化に寄り添う看護は、全国に誇れる宝です。一方で「人手が足りない」「学び直す機会が少ない」といった声も多く聞かれます。幅広い役割を担いながらも、安心して働き続けられる環境づくりが必要です。

 学会としては、三つのことに力を入れます。第一に、看護実践の知恵や工夫を共有し合える場を広げます。小さな取り組みも発表することで、新しい学びや改善につながります。第二に、人材を育て、学び直しを支援します。若手だけでなく、中堅やベテランが安心して学び続けられる場をつくります。第三に、多職種や地域の人々とのつながりを強めます。岩手は広いからこそ、顔の見えるネットワークが力になります。

 私たちの学会は、日々の看護の中の工夫や思いを拾い上げ、形にし、次につなげる場でありたいと考えています。会員の皆さまには、ぜひ実践や学びを持ち寄り、交流を通して看護の力を高めていただきたいと思います。

 看護をとおして岩手を元気にすること、それが私の願いです。皆さまと共に学び、支え合いながら、岩手の暮らしを守る看護を育てていきましょう。今後とも、岩手看護学会の活動に温かいご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

令和7年
岩手看護学会 理事長
岡田みずほ

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