理事長メッセージ
岩手看護学会は、岩手県立大学の卒業生や研究科修了生、地域の看護職者が共に学術的な研究活動ができる場として発足しました。その後、岩手県内には、看護系大学や看護専門学校も増え、益々、教育と臨床の場にいる看護職が連携し、学術的な活動を通して、岩手の保健・医療・福祉の発展に寄与することが求められていると思います。
岩手県は広大な面積を有していますが、人口が約124万人で高齢化も進み、盛岡医療圏に人口や医療が集中し、医療の均てん化が、ひとつの課題となっています。そのため住民が満足できる医療、安心できる医療を、その方の身近な場で提供することが大切な課題になると考えます。
その際に、鍵となるのは看護職です。看護職は、医療施設、訪問看護ステーション、介護施設など保健・医療・福祉の場のどこにでも存在します。岩手県内の看護職が、個人または組織でよりよい看護の追求とスキルアップ、看護職同志の連携を密にすることで、よりよい看護の提供が可能になると考えます。
岩手看護学会は、臨床と教育が連携し、実践の場に埋もれているよい看護の発見、岩手の文化を尊重した看護、看護のエビデンスの蓄積と活用、現場の課題の解決策の模索や、分野や組織を超えて看護職がネットワークを作るよい機会となる学会です。今後は臨床家と研究者の連携を一層密にし、共同研究をさらに充実させることも考えていきたいと思います。
毎年行っている学術集会も令和元年には第12回を迎えます。県内、県外の臨床家や看護学生、そして教育・研究者が集い、組織や地域を超えて、最新の知見や、研究成果を共有する場となっております。
また、学会誌を年に数回発刊し、臨床での看護研究、卒業生、研究科修了生の研究成果を会員の皆様と共有させていただいております。「投稿者の実践知や研究成果を結実させたい」という編集委員会の熱い思いから、どこの学会誌にもみられないほど、丁寧で教育的な査読が行われています。
更に、めんこいセミナーでは、看護研究の計画や研究指導に関する講義、ワークショップなどを開催し、臨床や教育の現場で看護研究に取り組む助けとなる内容を企画しています。
岩手の皆様と一緒に成長し、岩手の医療・保健・福祉の向上に寄与する学会でありたいと願っています。
令和元年4月
岩手看護学会 理事長
内海 香子