コラムリレー ~「優秀演題賞」2023 受賞者の声②~

2023年10月に開催された第16回岩手看護学会学術集会(大会長:工藤朋子氏)では、2題が「優秀演題賞」に選出されました。


一般演題(示説)
「岩手県の訪問看護ステーションにおける新卒看護師の育成と課題」
 〇舘向真紀、菊池由紀、工藤朋子、高橋栄子、及川吏智子

受賞の感想

受賞のご連絡をいただいた際、最初はとても驚きました。その後、受賞の喜びをじわじわと感じました。共同研究者の皆さまと協力して取り組んだ研究でしたので、評価いただけたことをとても嬉しく思っています。

発表演題に取り組んだエピソード

私は、令和元年度から岩手県看護協会の新卒・新任訪問看護師育成委員会のメンバーとなりました。高齢化率の高い岩手県において、訪問看護師の確保と育成は大きな課題です。委員会では、新卒・新任訪問看護師育成のための岩手県版プログラムを作成し、訪問看護ステーションの皆さまへの周知に努めてまいりました。この研究は、令和3年度の委員会メンバーが、岩手県の訪問看護の充実のために、県内の訪問看護ステーションに実態調査を行ったものの一部です。調査では多くの訪問看護ステーションの皆さまからご協力をいただきました。今回は、全国的に注目されている新卒訪問看護師の育成と課題に焦点を当て、地域の皆さまとともに訪問看護ステーションの安定的な運営について考えていきたいとの思いから発表いたしました。

発表演題をまとめる際に苦労したこと、工夫したこと

共同研究者が複数の施設にいたことから、研究の方向性の検討や結果の共有のための時間を調整することが課題でした。コロナ禍もあり、研究計画の段階から全員で集まることが難しかったため、メールやオンラインでの会議を重ね、お互いの顔をみて検討を行いながら、ようやく形としてまとめることができました。ご多用にも関わらず、オンライン会議に快くご賛同いただきました共同研究者の皆さまにはとても感謝しております。

今後の展望(どのような実践や研究につなげていきたいか)

これまでに新卒訪問看護師の採用経験のある訪問看護ステーションが7か所と、岩手県においても新卒訪問看護師の育成について実績を重ねていることが分かりました。一方で、常勤換算看護職員数が全国平均よりも少なく、看護職員の年代も40代以上が8割であり、長期的に見ると深刻な訪問看護師不足に陥る可能性があることも分かりました。これらのことから、訪問看護ステーションでも新卒看護師の育成が当たり前となるような未来を目指して、管理者・指導者研修会の充実や、複数ステーションでの協働育成などの支援体制について、現場の皆さまと一緒に考えていきたいと思っています。また、この結果を現在の委員とも共有し、訪問看護の更なる支援に向けて取り組んでいきたいと考えております。

2023/12/24掲載

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