コラムリレー ~受賞者の声②~

岩手看護学会では、新たに『岩手看護学会AWARD』が設けられております。
これは、岩手看護学会学術集会の発表演題の中から「優秀演題賞」、岩手看護学会誌投稿論文の中から「優秀論文賞」をそれぞれ選出し、賞状および副賞(金一封)を授与するものです。

2022年10月に開催された第15回岩手看護学会学術集会(大会長:三浦幸枝氏)では、2題が「優秀演題賞」に選出されています。


~「優秀演題賞」受賞者の声②~

一般演題(示説)
「精神科へ初めて異動した看護師の困難感とサポート体制の検討」
〇中澤美希,及川有希子,井口香織,栃内優美

受賞のポスターと受賞者の皆様  (左より 栃内さん 及川さん 中澤さん 井口さん)

中澤美希さん

【受賞の感想】

初めに受賞の連絡をもらった時には、まずは驚き、その後に嬉しさを感じました。研究チームのメンバーの協力や看護部からの支援のおかげだと感じています。
学術集会の当日には、発表や受賞式という経験をさせていただきましたが、自分たちの研究が優秀演題賞として認めていただいたことの、嬉しさだけでなく、研究の成果を見てもらえたということを感じることが出来ました。

【発表演題に取り組んだエピソード】

研究メンバー間で、前年度までの病棟での看護研究の経過をふまえた話し合いを行い、テーマが決まりました。私自身が他の診療科から精神科に異動した際に大変さを感じた経験も重なり、このテーマでの看護研究にスムースに取り組むことが出来ました。
精神科病棟のある総合病院で勤務しているので、いずれは精神科病棟への異動もあるだろうと考えていました。ですが、学生の頃の実習でしか精神科に関わることがなかったので、実際に配属が決まった時には分からないことへの不安や心配もありました。異動後は精神症状に影響を受ける患者さんの言動への対応など、精神科特有の看護に戸惑い、困難感を感じました。また、他の異動を経験したスタッフから同じような思いをしていることを聞きました。
そのような経験からも、発表演題として取り組むことにより、研究的な視点でのサポートが出来ればよいと考えました。

【発表演題をまとめる際に苦労したこと、工夫したこと】

看護研究というと、チームリーダーの負担が大きいことや、業務と並行して進めることが大変だというイメージがありました。そして、私を含めた研究チームのメンバーは、研究に対してきちんと勉強しているわけではありませんでしたし、学術集会での演題発表の経験はありませんでしたが、研究に必要な知識などを、院内の看護研究担当者や、研究アドバイザーとして支援してくださる岩手県立大学の先生に相談することと、チームワークが良く、それぞれが主体的に行動したおかげで、スムースに研究を進め自分たちの考えや思いを形にすることができました。

【今後どのような実践や研究につなげていきたいか】

院内異動するスタッフは新人ではないので、フォローを受けるというよりは自分でなんとか対応することも多いのかと思います。それでも、精神面や精神的なアプローチがメインになる精神科では、身体的な看護とはまた違ったスキルが必要になることもあるので、他の診療科間の異動よりも多くのフォローがあることで、病棟やその業務などにもなじみやすいのかと思います。
そのような点で、今回の研究結果を活用していきたいと思っています。
チームとしての研究はひと段落しましたが、現在は私個人の実践として、サポート側となる病棟スタッフに勉強会などを開催し、精神科の知識の向上を目標に取り組んでいます。

2023/1/30 掲載

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