コラムリレー ~はじめての論文執筆~
岩手看護学会では「はじめて論文執筆」を行った鈴木睦さんの感想を掲載いたします。
初めて論文投稿をした感想
研究発表を行ったことは何度かありましたが、発表後に論文を作成し投稿するという次のステップを考えたことはありませんでした。最初はどう書き出したらいいかわからず、まずは投稿する学会の投稿規則をよく読むことから始めました。実際に投稿してみると、何度も確認して提出したつもりでも、査読でとても単純な指摘を受けることも多かったです。また、論文を作成しながら、自分で腑に落ちない表現や、自分自身で納得のいかなかった箇所は、査読者からもご指摘を頂きました。査読を受け、指導に対する修正、再査読というプロセスを繰り返す中で、考察が深まり、論旨がより明確になったと感じます。取り組んだ研究を論文として投稿・発表するということが、研究に協力してくださった対象者への誠意であるという学びも得られました。
研究に取り組んだエピソード
「多職種連携の輪の中で、看護職は他職種からどのように捉えられているのか。」他職種から見た看護職の認識を明らかにしたいと思ったことから、アンケート調査に取り組みました。研究調査を通して、看護職が地域の多様な場で円滑な調整能力をもった活躍が期待されていることを再認識できました。また、実践した連携活動を正しく評価することも、連携推進のために必要であるとの示唆が得られたことも新たな気付きでした。
研究に取り組んだ際に苦労したことや工夫したこと
研究計画と倫理審査申請は、ほぼ同時に進めるとその後の研究がスムーズに進みますが、その時期が一番大変だったと振り返ります。私は、勇み足で研究計画とアンケート作成を行ったことで、データ収集後につまずいてしまいました。研究計画、文献検討に時間を十分にかけることが大切だと実感しましたし、データ収集後の統計的分析の方法までを見越した計画が必要だと学びました。仕事をしながら研究に取り組むことは簡単な事ではありませんでしたが、一時の集中力があればなんとかなるとも思いました。
今後どのような実践や研究につなげていきたいか
研究の種は現場にあります。臨床にあるたくさんの研究シーズを持っているのは、やはり臨床現場の看護師です。私自身、現在は教育に従事しており、実習などで臨床とのつながりがありますが、臨床現場の看護職と日常的に課題を共有しながら、一緒に研究に取り組んでみたいと思っています。今後の研究活動を通じ、看護ケアを受ける対象への還元、臨床で働く看護仲間の課題解決を目指していきたいです。
2024/11/06掲載