コラムリレー~「優秀演題賞」2024 受賞者の声②

2024年10月に開催された第17回岩手看護学会学術集会(大会長:鈴木るり子氏)では、2題が「優秀演題賞」に選出されました。


「新人看護師の関係性のなかでの自立と社会人基礎力との関連」
○松坂朋佳さん、高橋有里さん(岩手県立大学)

受賞の感想

このたび第17回岩手看護学会学術集会において,優秀演題賞を受賞させていただきましたこと大変感謝申し上げます.連絡をいただいた際には大変驚きましたが,これから本格的に大学院の研究を進めていくにあたり,今回の受賞は今後の励みになります.

発表演題に取り組んだエピソード

私は,看護職の対人関係能力やコミュニケーション能力について,以前より興味関心がありました.近年,SNSが主流のコミュニケーションや核家族化などの社会環境の変化から,人との直接的な関わりを苦手とする若者が増えていることがメディアでも発信されており,2006年には経済産業省より「社会人基礎力」の重要性が謳われています.対人関係を構築していく能力がより重要視され,それは対人援助職である看護職にとっても強化すべき力なのではないかと考えました. そこで,青年期にあたる新人看護師に焦点を当てて,以前より問題視されている早期離職との関係から,新人看護師の対人関係能力を向上させることができれば,早期離職予防に何らかの寄与ができるのではないかと考えたことが,今回の内容に取り組むきっかけとなり,演題発表に至りました.

発表演題をまとめる際に苦労したこと、工夫したこと

私は,初めて新人看護師を対象にした研究を行ったため,新人看護師の現状として早期離職に至る要因やそれを防止するための病院施設での研修制度など,新人看護師を取り巻く状況について文献検討により理解しました.その上で,どこに焦点を当てて進めていくか検討を重ねました.演題をまとめる際には,新人看護師になぜ対人関係を構築する能力が必要なのか,研究意義が明確に伝わるように意識して進めていきました.

今後の展望(どのような実践や研究につなげていきたいか)

今後は今回の研究を活かして,皆様からのご意見・ご助言をいただきながら,新人看護師の早期離職を防ぐ支援について検討していきたいと考えています.現在も各病院施設において,工夫された多種多様な新人看護師への支援が行われていると思いますが,その一助になれたらと,恐縮ではございますが考えております.今後とも,ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます.

2024/11/16掲載

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